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GLASS Fermata

基本、朝ルル中心、in騎士団なルル受ギアス小説サイト。詳しくは【First】をご覧下さい。日常的呟きとか、考察とか、ヨロヅにイラストとか付いたりするかも。
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  • 05/14/06:12

ルル誕企画小説*02ー2

【02】の2です。
C.C.乱入します。

朝比奈が己の中のゼロに対する好意を垣間見ます。
でも、部下としてか、保護者としてか、敬愛か、はたまた別の感情か、は……まだお預け。


朝比奈さんの笑顔好き~vv
では、どぞー!

 

Act.02ー2
Side:Asahina&Zero







「うーんと…じゃあ、兄弟とかですか?」
「…………まぁ、そうだ、な」



と、今度は最初と同じ歯切れの悪い返答に、朝比奈はあれ?と思う。
肯定はしたが、どこか曖昧だ。



「――あいつだろう?双子の弟の。そういえば12月5日だったな、お前等の誕生日は」
「C.C.…!!」



振り返ると、奥の部屋の扉に寄りかかるようにして、いつの間にか緑の髪の少女が立っていた。
慌てて制したゼロだったが、朝比奈はようやく違和感の正体を知る。
双子、つまりそれは。



「あ、じゃあゼロも誕生日なんですねー。こんなご時勢だけど、何かお祝い欲しいものあります?」
「…っ!!」



ビクッと震えた肩に、何となく朝比奈は確信してしまった。
つまり、ゼロが隠していたのはこれだろう。
別に、双子の弟がいたり誕生日を知られたくらいで、大した問題でもないはずだ。
一応キョウト筋であるし、幹部の一員みたいな感じなのだから、もう少しその辺は信用してくれても良いのではないだろうか。

そう思うと、少し、朝比奈は胸に痛みを覚えた。
悔しいような、歯がゆいような、悲しいような、そんな想い。
だがそれが表情に出る寸前に、次のC.C.の一言で朝比奈は目を見開く事になるのだが。



「……本当に、お前等双子は昔から変わらないな。そんなに誕生日を祝われるのが嫌か?否定された生を祝われる事が、それほどまでに躊躇われるか?」
「……え…?」



否定された生。そう告げられた言葉に、朝比奈は先程親の事を尋ねた時のゼロの反応を思い出す。
殺されたという母親。子を殺そうとしたという父親。
仮面の奥で顔を歪め、威嚇するようにゼロはC.C.へ叫ぶ。



「黙れ…!」
「いいや、黙らんさ。やっとお前が踏み出そうと…生きようとし始めたんだ。誕生日、ルルーシュだってきっとお前の事を祝いたがっていると、気付いているんだろう?」
「うっ…そ、それは……」
「それともお前は、あいつの事は無理矢理祝って、自分だけ祝うなとでも言うのか?それをあいつが…そしてあの子が喜ぶとでも?」



そこまで言われて、ゼロはぐっと言葉を詰まらせた。
分かっている。
頭では理解している。
ただ、心が受け入れたくないだけで。

黙り込んでしまったゼロとC.C.を交互に眺め、朝比奈は内心複雑だった。
ゼロの事を何でも分かっているC.C.に対するもやもやした物と、何もわからない自分が言葉を持たない事に対する歯がゆさ。
あぁ、違う。そうではない。

さすがにこの年で分からないなんて言わない。
朝比奈は、ただ悔しいのだ。
団員でも幹部でもないC.C.だけを、ゼロは共犯者だと言って傍に置く。
最初から誰よりも、C.C.だけが信頼されていて。
そのC.C.だけが、ゼロを知っているのだ。
それが悔しくて、歯痒くて。
そう、だからこれは……嫉妬だ。

すとん、と落ちてきた理解に幾分かの驚きと納得を実感した朝比奈は、ふっ…と纏う雰囲気を和らげる。
それに気付き視線を向けてきたゼロに、小さく苦笑した。

仮面越しのはずのその顔は、普段と比べて頼りなくも儚い、そんな印象を受ける。
そこに感じたのは、庇護欲かもしれない。
けれど。



「ねぇ、ゼロ。少なくとも俺は、ゼロに会えて、ゼロが生まれてきてくれて、嬉しいですよ?」



知らないからこそ、言える言葉もあると知っているから。
知っているC.C.ほどの確かな事はいえないだろうけれど、それは本心で。

ね、と首を傾げてみせる朝比奈に、ゼロは仮面の奥で目を丸くしていた。
そんな事を言われるとは、思わなかった。




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