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GLASS Fermata

基本、朝ルル中心、in騎士団なルル受ギアス小説サイト。詳しくは【First】をご覧下さい。日常的呟きとか、考察とか、ヨロヅにイラストとか付いたりするかも。
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  • 04/27/01:30

ラブ☆ポーション01

えーっと。

朝ゼロの惚れ薬ネタが無いようなので、連載始めてみました。

一度書いてみたかったんですよねー。
惚れ薬ネタ!
藤ルルは何度か見掛けたのですが、朝ルルはないなーとふて腐れ。自分で書く事にしました。

無いのならば自分で創れば良い!

最終的にはくっつくとはいえ、開始を朝→ゼロと朝←ゼロですっっっごく悩んだのですが。
今メルマガ連載が朝←ゼロスタートなので、今回は朝→ゼロにしてみました。

いや、朝比奈なら顔見せれば一発一目惚れはありだと思うのですが、あえてルルーシュではなく素性も知らない仮面男ゼロに惚れて猛アタックされて怯み戸惑うゼロが見たいのです。

という訳で、今回はカップリング的に言うとC.C.+ゼロ。
最終的には朝ゼロだけど!

それにしても私の小説は一話目が序章っぽい上に肝心の片割れが出てこないなー。

ではでは、お読みになって下さる方は続きを読むからどーぞ!

 


ただ音も無く、雨が落ちる。

静かに、ただ静寂の中で降りしきる霧雨はどこか虚ろで。

やがて強まるだろう雨足の中、荒れ果てたゲットーの大地を足早に黒いマントを翻えし、その人物は歩いていた。


規則的なはずの硬質な靴音は今宵どこか危うげに、普段とは違い俯き加減に家路を辿るそれは本人にしてみれば急いでいるつもりであった。

一歩一歩、足取りが重い。

それが疲れからくるものだけではない事くらい、本人だって分かっている。

ただ、認めたくないだけで。



「どこへ行く、ルルーシュ」



生意気さを隠しもしない、尊大で偉そうな声が聞こえた。

立ち止まった黒い人物…ゼロは、俯き加減であった顔を億劫気にゆっくりと持ち上げる。

目の前で腕を組み佇む白い拘束服に湿った緑の髪を認め、いつの間に回り込んだのかと考えた。

部屋を出た時はまだ、ソファの上でピザを食べ始めたばかりだったはずだ。

何か言われる前にと部屋を出たのだが、確かに幻ではないC.C.の姿に内心舌打ちが漏れる。


今宵だけは、その心境に余裕などないというのに。



「帰るんだ、ナナリーが待っているからな」
「スザクが騎士に指名されたから、あの子と自分の身辺が心配なんだろう?」
「分かっているなら止めるな」
「ふんっ、分かってないのはお前の方だ……それだけではない癖に」
「………なんだと?」



自分でも分かるほど、存外不機嫌さ丸出しの低い声が漏れた。

上から目線のC.C.の声音に、今宵だけはどこか労りと優しさが込められていた事に気付く余裕は、残念ながらゼロには残されていなかった。

ゆっくりと歩いてくるC.C.を、仮面越しに睨むと、普段とは違いどこか悲しげな笑みを返されてゼロは微かに怯む。

伸ばされた手に、反射的に後退った。



「…悲しいのだろう、辛いのだろう、本当は手を取って欲しいのだろう、もう嫌だと全て投げ出してしまいたいのだろう」
「っ馬鹿を言うな、何を今更!俺は修羅の道を歩むと決めた時からそんな感情など遠に捨てている!!」
「だが事実、お前の心は傷付いている、痛いと泣き叫んでいる……お前には支えてくれる誰かが必要だよ、ルルーシュ」



再度伸ばされた手を振り払うと、ゼロは踵を返し再び歩きだした。

再び名を呼ばれるが、今度は決して振り返らず振り切るように歩を進める。

それはC.C.の追求から逃れる為か、何かを恐れるように。



「何も無い、誰も必要無い、っ私は……ゼロだッ!!」



叫ぶように吐き出された、悲鳴にも似たその言葉はまるで自分に言い聞かせるかのようで。

逃げるように立ち去ったゼロの後ろ姿を見つめたまま、今度はC.C.も追い掛けようとはしなかった。

C.C.は、今日格納庫の中で響いたゼロの嘲笑を聞いて思った。

このままでは、ルルーシュの心が壊れてしまうと。

王の力は王を孤独にする。

だが、彼は哀し過ぎた。
そして強さ故の脆さを持ち合わせていた。

今のルルーシュは危うい。ルルーシュにだけは、マオのようにはなってほしくなかった。

だから、まだ引き返せる今ならと本人に自覚してほしかったのだが。



「お前が望まずとも、お前には必要だよルルーシュ」



だから、とC.C.は呟く。

そう、今ルルーシュに壊れられては、死なれては困るのだ。

お前は私の契約者にして共犯者。

それに、お前が思っている以上に私はお前が大切なのだから。



「お前がその気なら私にも考えがある。思いしらせてやるよ、望む事を知らないお前に、な」



決意に金の双眸を煌めかせ、口端を吊り上げるとC.C.は激しさを増した雨の中で不敵に笑ったのだった。
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