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GLASS Fermata

基本、朝ルル中心、in騎士団なルル受ギアス小説サイト。詳しくは【First】をご覧下さい。日常的呟きとか、考察とか、ヨロヅにイラストとか付いたりするかも。
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  • 04/30/04:48

ルル誕企画小説*01

お待たせしました~!
ルルーシュ誕生日企画小説投下します
とりあえず完成済の分だけ。

趣味に走ってゼロルル双子な朝ゼロロイルルです!

ゼロの存在は一部の人しか知りません。騎士団内でのバレもまだ。
ロイドはゼロの事を知っています。
ロイドはルルの騎士!
双子が鈍感なのは標準装備で。

【Act.01】は区切るのが面倒だったのでまとめて載せちゃいましたが、文字数多くて読み切れない方いらっしゃるようでしたら、分けるのでご連絡下さいー!

ではでは、ロイルル視点からです。
どうぞー!

 


Act.01
Said:Lloyd&Lelouch





ふぅわりふわふわ
ふにふに、へらへら
その笑顔を表すとしたら、きっとそんな感じだ。

柔らかな、あまりに機嫌の良いその微笑みに、自然と部屋の雰囲気も穏やかなものへと包まれて。
部屋の主は珍しくキーボードを打つ指を止めると、不思議そうにそちらを振り返る。



「なんだ、ロイド。妙に御機嫌だな」
「あはー、そんな事言って主。貴方の方こそ今日は機嫌が良いんじゃありませんかぁー?」
「…まぁな、確かに悪くはない」



呆れたような、けれど何処か楽しさを含ませた笑みをくすりと零す主に対し、騎士も嬉しそうに目を細めた。

部屋の空気が良いのは、騎士の所為ではない。
だって、この部屋は主のもの。
主の機嫌が良いからこそ、騎士も機嫌が良いままでいられるのだ。

己の事を指摘されるとは思わなかったが、確かに機嫌がわりと、否かなり、良い事は認めるので部屋の主…ルルーシュは特に追求はしなかった。
主の機嫌を察する事など、騎士であるロイドにしてみれば当然の事なのだ。
分かっているからこそ、ルルーシュはロイドを傍に置き、ロイドに信を置いている。
勿論、最近はそれだけが理由ではないのだが。



「ところで主、今度の来週末の予定なんですけどー…」



そこでポツリ、とロイドは切り出した。
そう、今日の機嫌の良さはそのスケジュールが近かったからである。
終末と言えば、主であるルルーシュの誕生日だ。
騎士として、何より最愛の人の誕生日。これに士気が上がらぬはずが無い。

それに、例年ならば日本に送られていらいこの時期になると悪化していた主の機嫌が、今回は奇跡的に良好。
これはチャンスだ。
ロイドはそう確信した。


が。



「なんだ、流石ロイドだな!やっぱり分かっていたのか!」



きらきらと瞳を輝かせ始めた主に、あれ?とロイドは首を傾げる。

この反応は妙だ。

何故ならば、ルルーシュは己の誕生日を祝われる事が好きではない。
子供を守って母親は暗殺され、父親に生を否定され、国に死を望まれた命だ。
ロイドもそう思ってしまう主の気持ちが、分らなくもない。
だが、つまりルルーシュは自分の誕生日に関し疎む事はあれど、何かを期待したり楽しみに待つといった事は一切ないのだ。
なのに、この眼差しは一体。



「えっと…主ー?誕生日ですよねぇ??」
「あぁ、そうだ!誕生日だ!やはりここは盛大にやるべきか?いや、それだと勘付かれて逃げられるかもしれないな。やはり身内だけでこっそりと…」



ブツブツと呟き始めたルルーシュに、ロイドはやっぱり、あれ?と首を傾げた。
誕生日。そこは間違ってはいない。
だがその反応がどうも、自分のというよりも…。



「あの、主ー?12月5日ですよねぇー??」
「あぁ勿論、当然だろう?」
「えぇっと、それってー…」



誰の、という前に、ロイドは何となく気付いてしまった。
だって、主がこんなに楽しみにしていてこんなに嬉しそうに誕生日を祝いたがる相手なんて、ほとんどいない。
それも、主と同じ日に生まれた相手なんて、たった一人だけ。
それは…――



「ゼロの誕生日に決まっているじゃないか。俺の双子の兄の」



何を当然の事を、と。きょとんとした瞬きにロイドはあぁやっぱり、と心の中でがっくりと肩を落とす。

そうだった。
日本に来て再会した時、もしやと思っていたが、やっぱりそちらとも既に再会していらっしゃったのですね。
まぁあの稀代のテロリストを見た時からその正体も生存も、気付いてはいた。確信はなかったが。
生きて成長されているとしたら、きっと目の前の主と瓜二つの美貌でいらっしゃるのだろう。

勿論これは、喜ぶべきところなのだろうでしょうけれど。



「あいつにバレたら絶対に誕生日なんて祝わせて貰えないからな!まずはバレないように計画を進めつつ明日にでもプレゼントの下見に行きたいんだが、一緒に行って選んでくれるか?」



そういうルルーシュの瞳は、それはもう嬉しそうに満面の笑みできらきらと輝いていて。

滅多に見られる事のない主の無邪気な笑顔に見惚れつつ、今年もまともに祝わせてもらえないかもしれない事に。
ロイドはそっと心の隅で涙したが。



「Yes, your highness」



それでも、主と二人きりで出かける約束が出来た事に幸せを噛み締めて、騎士は主に綺麗な一礼をしてみせたのだった。





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