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弾丸Lover<後編>
と、いう訳でー…後編です。
本当駄文で申し訳ない。
Scrap部屋とか作って放り込むべきかと思ったのに、完成品が長文過ぎました。
では、続きどうぞー。
* * *
それからの朝比奈の行動は素早かった。
傍にあったティッシュを数枚重ねて持つと優れた胴体視力と反射神経で掴み取り、手頃な袋へ放り込んだ。
後は握りつぶして外のゴミ箱に捨ててきたので、現在室内は平穏に保たれている。
己の失態に落ち込む目の前の青年は、ぐったりと疲れた様子で肩を落としていた。
薄ら涙目なのは健在だ。
「ほら、もう大丈夫だよー?」
「……すまない、本当に」
あまりの落ち込みように、それもそうだよねと朝比奈は内心ひっそり呟いた。
男としては少々情けない云々以前に、部下の前で曝して良い格好ではない。
元より彼にとって、この場に朝比奈が居る事も、この事件事態イレギュラーであったとしても。
「…えーっと、それで結局……君がゼロ、なんだよねー??」
それは疑問ではなくほぼ確信に近い音を持っていた為、ゼロは諦めて肩を落とした。
脱衣所のゼロの衣装。
ソファのマントに机上の仮面。
此処がゼロの自室でゼロしか知らないパスワードで開く扉を考えれば、結論は確実にそうなる。
否定を諦めたゼロは、渋々といった面持ちで肯いた。
「あぁ、そうだ」
「ふーん?結構、素直に認めるんだね」
「どう見てもこの現状だ、言い逃れは出来ないからな」
助けられた手前もあったが、朝比奈は勘が良い。
下手にはぐらかしても後々面倒な事になるだろう。
その朝比奈が、こくりと頷いたその仕草に内心可愛いなぁと思っている事など、ゼロことルルーシュはもちろん知らない。
不意に頭からふわりと掛けられたバスタオルに見上げれば、へらりと笑う顔があって。
ふっと和みそうになる自分がいる事にゼロは驚いた。
普段は自分に対し不満げな朝比奈のこんな笑みは初めてで、なのに隣に立つ温もりが温かいと。
妙に安堵する身体に、つい戸惑ってしまう。
「…何も聞かないのか?」
「え、聞いて欲しいの?」
「いや、…お前ならもっと追求してくるかと、思った」
「だってゼロ、知られたくないんでしょ?ま、教えてくれたら嬉しいし、名前くらい知りたいなーとは思うけどさ」
タオル越しに頭を撫でてくる手に、優しい声音に、心が揺れる。
このように他人に優しく接してもらった事など、何年ぶりだろうか。
穏やかな温もりについ涙腺が緩みそうになって、ゼロは咄嗟に俯いた。
黙ってしまった少年の顔色にふと朝比奈が気付いて、微笑む。
「ねぇ良い加減身体冷えちゃったんじゃないの?ゴキブリ退治も済んだんだし、もう一回お風呂入ってきたら?」
その沈黙に対し深く追及しなかったばかりか、少し青褪めてきたゼロの様子に気付いた朝比奈は再度入浴を勧めた。
それに目を瞬かせつつ、一瞬ゼロは言葉を詰まらせる。
ちらっと浴室に向けられた視線に脅えを感じ取り、内心苦笑して朝比奈は続けた。
「ほら、一応もう、アレも出ないと思うし」
「だが…」
「……何かあったら俺も今暇だし、君が出てくるまで当分此処に居てあげるから、ね?」
「……わかった」
こくり、と素直に頷く姿に朝比奈は可愛いなぁと再び普段とのギャップに内心悶えたが、安心できるように笑ってゼロを浴室に送り出してやる。
扉が閉まると、朝比奈はその場に脱力した。
ソファにぼすっと顔を埋め、朝比奈は思い出した先程の光景に無言で悶える。
(何アレ可愛いっ!超ヤバイ!!)
ゴキブリ駄目とか、どこの乙女だろう。
あの後飛びかかってきたゴキブリに、本気で泣きだしそうになって怯えていたゼロ。
退治した後、本気で感謝と尊敬の眼差しを向けてきた、その笑顔。
そして、はたと我に帰って現状に気付きわたわたと慌て始めた可愛らしい様子のゼロ。
しかもその間中、目の前の彼はほぼ裸で美しいその肢体を惜しげもなく曝していたのだ。
色々と限界に近かった朝比奈は、ここまで耐えた己の理性に拍手を送りたくなった。
飛び付かれた時点で手を出さなかっただけでも自分を褒め称えたい。
実際、今見ていた限りでもあの無自覚さは不安すら覚えるのだから。
「それにしても、まさか仮面の下があんな顔してたなんて…しかも素とか何気に可愛いしっ…絶対反則なんですけど…っ!!」
先程の未だ浴室を怖がっている様子すら愛らしくて仕方が無い。
思い出すだけで赤くなる顔と早まる動悸に、朝比奈は否応無しに自覚する。
(ヤバイ、あれは…惚れたかも)
一目惚れ、なんて信じていなかった。
むしろ、そんな不誠実な事を自分がするなんて思わなかった。のに、してしまったのだ。
「うー……俺、ゼロが出てきたら次、どんな顔すれば良いのさー」
己の心の整理で目一杯だった朝比奈が、その後濡れた髪のまま肩にかけたタオルとシャツ一枚で姿を現したゼロに盛大に理性を試されるのは―――あと少し先のお話。
*****
朝→ゼロだけれど、朝比奈さんの一目惚れ話。
朝ゼロ好きーならば一度は書いてみたいんじゃないかと思われるネタ、だと思うのは、私だけですか?笑
続きそうな流れですが、リクあったら書くかも。
そもそも駄文過ぎてごめんなさいorz
本当駄文で申し訳ない。
Scrap部屋とか作って放り込むべきかと思ったのに、完成品が長文過ぎました。
では、続きどうぞー。
* * *
それからの朝比奈の行動は素早かった。
傍にあったティッシュを数枚重ねて持つと優れた胴体視力と反射神経で掴み取り、手頃な袋へ放り込んだ。
後は握りつぶして外のゴミ箱に捨ててきたので、現在室内は平穏に保たれている。
己の失態に落ち込む目の前の青年は、ぐったりと疲れた様子で肩を落としていた。
薄ら涙目なのは健在だ。
「ほら、もう大丈夫だよー?」
「……すまない、本当に」
あまりの落ち込みように、それもそうだよねと朝比奈は内心ひっそり呟いた。
男としては少々情けない云々以前に、部下の前で曝して良い格好ではない。
元より彼にとって、この場に朝比奈が居る事も、この事件事態イレギュラーであったとしても。
「…えーっと、それで結局……君がゼロ、なんだよねー??」
それは疑問ではなくほぼ確信に近い音を持っていた為、ゼロは諦めて肩を落とした。
脱衣所のゼロの衣装。
ソファのマントに机上の仮面。
此処がゼロの自室でゼロしか知らないパスワードで開く扉を考えれば、結論は確実にそうなる。
否定を諦めたゼロは、渋々といった面持ちで肯いた。
「あぁ、そうだ」
「ふーん?結構、素直に認めるんだね」
「どう見てもこの現状だ、言い逃れは出来ないからな」
助けられた手前もあったが、朝比奈は勘が良い。
下手にはぐらかしても後々面倒な事になるだろう。
その朝比奈が、こくりと頷いたその仕草に内心可愛いなぁと思っている事など、ゼロことルルーシュはもちろん知らない。
不意に頭からふわりと掛けられたバスタオルに見上げれば、へらりと笑う顔があって。
ふっと和みそうになる自分がいる事にゼロは驚いた。
普段は自分に対し不満げな朝比奈のこんな笑みは初めてで、なのに隣に立つ温もりが温かいと。
妙に安堵する身体に、つい戸惑ってしまう。
「…何も聞かないのか?」
「え、聞いて欲しいの?」
「いや、…お前ならもっと追求してくるかと、思った」
「だってゼロ、知られたくないんでしょ?ま、教えてくれたら嬉しいし、名前くらい知りたいなーとは思うけどさ」
タオル越しに頭を撫でてくる手に、優しい声音に、心が揺れる。
このように他人に優しく接してもらった事など、何年ぶりだろうか。
穏やかな温もりについ涙腺が緩みそうになって、ゼロは咄嗟に俯いた。
黙ってしまった少年の顔色にふと朝比奈が気付いて、微笑む。
「ねぇ良い加減身体冷えちゃったんじゃないの?ゴキブリ退治も済んだんだし、もう一回お風呂入ってきたら?」
その沈黙に対し深く追及しなかったばかりか、少し青褪めてきたゼロの様子に気付いた朝比奈は再度入浴を勧めた。
それに目を瞬かせつつ、一瞬ゼロは言葉を詰まらせる。
ちらっと浴室に向けられた視線に脅えを感じ取り、内心苦笑して朝比奈は続けた。
「ほら、一応もう、アレも出ないと思うし」
「だが…」
「……何かあったら俺も今暇だし、君が出てくるまで当分此処に居てあげるから、ね?」
「……わかった」
こくり、と素直に頷く姿に朝比奈は可愛いなぁと再び普段とのギャップに内心悶えたが、安心できるように笑ってゼロを浴室に送り出してやる。
扉が閉まると、朝比奈はその場に脱力した。
ソファにぼすっと顔を埋め、朝比奈は思い出した先程の光景に無言で悶える。
(何アレ可愛いっ!超ヤバイ!!)
ゴキブリ駄目とか、どこの乙女だろう。
あの後飛びかかってきたゴキブリに、本気で泣きだしそうになって怯えていたゼロ。
退治した後、本気で感謝と尊敬の眼差しを向けてきた、その笑顔。
そして、はたと我に帰って現状に気付きわたわたと慌て始めた可愛らしい様子のゼロ。
しかもその間中、目の前の彼はほぼ裸で美しいその肢体を惜しげもなく曝していたのだ。
色々と限界に近かった朝比奈は、ここまで耐えた己の理性に拍手を送りたくなった。
飛び付かれた時点で手を出さなかっただけでも自分を褒め称えたい。
実際、今見ていた限りでもあの無自覚さは不安すら覚えるのだから。
「それにしても、まさか仮面の下があんな顔してたなんて…しかも素とか何気に可愛いしっ…絶対反則なんですけど…っ!!」
先程の未だ浴室を怖がっている様子すら愛らしくて仕方が無い。
思い出すだけで赤くなる顔と早まる動悸に、朝比奈は否応無しに自覚する。
(ヤバイ、あれは…惚れたかも)
一目惚れ、なんて信じていなかった。
むしろ、そんな不誠実な事を自分がするなんて思わなかった。のに、してしまったのだ。
「うー……俺、ゼロが出てきたら次、どんな顔すれば良いのさー」
己の心の整理で目一杯だった朝比奈が、その後濡れた髪のまま肩にかけたタオルとシャツ一枚で姿を現したゼロに盛大に理性を試されるのは―――あと少し先のお話。
*****
朝→ゼロだけれど、朝比奈さんの一目惚れ話。
朝ゼロ好きーならば一度は書いてみたいんじゃないかと思われるネタ、だと思うのは、私だけですか?笑
続きそうな流れですが、リクあったら書くかも。
そもそも駄文過ぎてごめんなさいorz
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