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AとLの法則01
始まりました、ロイド騎士設定朝ゼロ長編!
AとLの法則とは、勿論ルルーシュにおけるA「朝比奈」とL「ロイド」の法則です。
とりあえずロイドとルルーシュの出会い編から始めますねー。
長くなるのでのんびりいきます。
今回のをcp表記するならロイルル+シュナでしょうか。
あくまでも、朝ゼロになるのでその点お忘れなく!
それでも良いよ、バッチコイ!な方は「続きを読む」より本編へどうぞー♪
あの日、浮足立った悪友に興味を引かれて無理矢理着いて行ったアリエスの離宮で、ロイドは生涯忘れようのない出会いを果たした。
振り返ったその姿に、存在に、世界から雑音が確かに消えた。
普段から考えれば有り得ない柔らかな笑みを浮かべた悪友にすら気付かないほど、一瞬でロイドはその存在に思考の全てを奪われた。
「こんにちは、ルルーシュ」
「こんにちは、あにうえ…そちらのかたは、どなたですか?」
こてん、と可愛らしく傾げられた柔らかな白い頬をさらりと艶やかな黒髪が撫でる。
澄んだ何ものよりも美しい紫の双眸は、確かに見慣れた悪友とほぼ変わらない色合いのはずなのに。
それなのに、ロイドには全く違って見えた。
齢3歳の子供とも思えぬ、知性すら垣間見せる無垢な煌めきに息すらできず、唯ひたすらに魅入って。
「あぁ、彼はロイド・アスプルンド…私の学友なんだか、今日は是非にと言われて仕方が無くね」
「ロイド…はくしゃく、ですか?」
「いや、彼はまだ伯爵位を継いではいないからね、ロイドで構わないよ」
「……ですが、としうえのかたですし…ロイドさん?」
敬称を確認する為か少し困ったようこちらを見上げた幼子に、我に帰ったロイドは慌てて居住まいを正した。
そのまま自然な動作で膝を着き視線を合わせると、それが当然であるかのように柔らかな笑みを浮かべる。
今までどのような立場の相手だろうととる事のなかったロイドの敬意に、シュナイゼルが目を見張った事に気付きながら。
「構いませんよー、ルルーシュ殿下。どうぞロイドと呼び捨てでお呼び下さいー?」
「そうですか?…では、はじめましてロイド。ほんじつは、ようこそおこしくださいました」
「あはーv敬語も要らないですよルルーシュ殿下。兄上のシュナイゼル殿下も気にしていらっしゃいませんしー」
目の前の小さな皇子に普段とは違う真っ直ぐな視線を向けて相対すれば、紫水晶の輝きは穏やかにそれを受け止めた。
あどけなさの残る、けれど深い深い眼差し。
出会ったばかりの、一回りも歳の離れた幼い皇子。
地位も権力も、人間自体に興味はなく、機械の方がずっと良いと思っていた。
けれど、その存在は初めてロイドの心に響いて、一挙一動にその水面は驚くほど揺らされて。
ロイドの心はたった短いこの時間で全て奪われ、定められた。
だからするりとその言葉が口から出たのは、ロイド自身にしてみれば当然の結果で。
「ねぇ、ルルーシュ殿下、僕を貴方の騎士にしてみませんか?」
「な…っ!」
「きし、ですか?」
「ちょっ、待ちたまえロイド!君は本気か?!」
戸惑うように、それでも向けられた幼い双眸に映る己の姿に全身が泡立ち歓喜するような感情を覚えながら。
慌てて割って入るシュナイゼルに、嫌そうな眼差しを向ける。
「何を言ってるんだい、シュナイゼル。失礼だねぇ、僕は本気だよ」
「ルルーシュはまだ3歳だぞ?!騎士はまだ早い!それに君なんかが彼の騎士だと!?私は認めんぞ!」
「そうですねぇ、流石に早いでしょうし。だったら仮でも良いですー。とりあえず騎士にするならって事で考えては頂けませんか、ルルーシュ殿下ー?」
勿論、今すぐお許しを頂けるならそれはそれで大歓迎なんですけどー。
そんな事を言って微笑むロイドに、シュナイゼルは絶句した。
だが瞬時に立ち直ると未だかつて無い本気の姿勢に、最愛の弟に会わせた事を後悔する。
しかし、後悔先に立たず。
実際、実力的にも知能でもロイド以上のルルーシュの騎士に見合う逸材をシュナイゼルは知らないのだが。
悪友として見知った付き合いの長い相手だけに、性格的な問題も熟知していた。
そして、本気の相手の諦めの悪さにも。
「しかし、ロイドはあにうえの…」
「…構わないよ、ルルーシュ」
「え?」
きょとん、と瞬く零れ落ちそうな瞳に苦笑しながらシュナイゼルは疲れたように深く溜め息を吐く。
ちらりと一瞥した視線の先には、もはや主しか視界に入っていない忠犬が確かに存在して。
「ロイドは私の学友であって騎士候補ではないし…するつもりもない。だが、こう見えて腕もたつし頭の方もなかなかでね。今まで主は要らないと言っていたが、素質だけなら十二分にある。」
「…そうなのか?」
「まぁ、自分で言うのもアレですけど、僕ってお買い得ですよー?」
へらりと笑って答えるロイドは、口調こそ気安いがその眼はどこまでも温かみがあり。
今までこのような眼を他人に向けられた事が無いだけに、ルルーシュは戸惑ってしまう。
それに何と言ってもルルーシュはまだ3歳だ。妹も生まれたばかりで、皇位継承権は高くはない第十七位。
本来早過ぎる話にその混乱を察したシュナイゼルは、穏やかに微笑んでその頭を撫でた。
その優しい手つきに、ルルーシュもようやく落ち着きを取り戻す。
「すぐとは些か早過ぎると思うが、お前さえ良ければ考えておいてやってくれないかい」
「わかりました、シュナイゼルあにうえ。かんがえておきます…ロイドもほんとうに、ぼくなんかのきしがいいのか?」
「ルルーシュ殿下の騎士が良いんです!他の方の騎士なんて、こっちが願い下げですよー!」
見上げる視線を兄から駄々っ子のようにそう叫ぶ兄と同じ年齢のはずの騎士候補へ移すと、ルルーシュは今度こそ確かに微笑んだ。
この広い、けれど狭い皇室の離宮で。
初めてできたルルーシュだけのものになるかもしれないその真っ直ぐな双眸は、綺麗なアイスブルーの瞳をしていて。
「わかった、ロイド。とりあえず「かり」だが…これからよろしくたのむ」
「はいー!こちらこそ宜しくお願いしますね、殿下!絶対認めさせてみせますから!!」
無邪気に本当に嬉しそうにはしゃぐロイドは幼く白いその手を取ると、膝ま着いた侭恭しくそこに唇を落としたのだった。
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア、3歳。
ロイド・アスプルンド、15歳。
運命の分岐点となる春の昼下がりの事だった。
【To be continue...】
AとLの法則とは、勿論ルルーシュにおけるA「朝比奈」とL「ロイド」の法則です。
とりあえずロイドとルルーシュの出会い編から始めますねー。
長くなるのでのんびりいきます。
今回のをcp表記するならロイルル+シュナでしょうか。
あくまでも、朝ゼロになるのでその点お忘れなく!
それでも良いよ、バッチコイ!な方は「続きを読む」より本編へどうぞー♪
あの日、浮足立った悪友に興味を引かれて無理矢理着いて行ったアリエスの離宮で、ロイドは生涯忘れようのない出会いを果たした。
振り返ったその姿に、存在に、世界から雑音が確かに消えた。
普段から考えれば有り得ない柔らかな笑みを浮かべた悪友にすら気付かないほど、一瞬でロイドはその存在に思考の全てを奪われた。
「こんにちは、ルルーシュ」
「こんにちは、あにうえ…そちらのかたは、どなたですか?」
こてん、と可愛らしく傾げられた柔らかな白い頬をさらりと艶やかな黒髪が撫でる。
澄んだ何ものよりも美しい紫の双眸は、確かに見慣れた悪友とほぼ変わらない色合いのはずなのに。
それなのに、ロイドには全く違って見えた。
齢3歳の子供とも思えぬ、知性すら垣間見せる無垢な煌めきに息すらできず、唯ひたすらに魅入って。
「あぁ、彼はロイド・アスプルンド…私の学友なんだか、今日は是非にと言われて仕方が無くね」
「ロイド…はくしゃく、ですか?」
「いや、彼はまだ伯爵位を継いではいないからね、ロイドで構わないよ」
「……ですが、としうえのかたですし…ロイドさん?」
敬称を確認する為か少し困ったようこちらを見上げた幼子に、我に帰ったロイドは慌てて居住まいを正した。
そのまま自然な動作で膝を着き視線を合わせると、それが当然であるかのように柔らかな笑みを浮かべる。
今までどのような立場の相手だろうととる事のなかったロイドの敬意に、シュナイゼルが目を見張った事に気付きながら。
「構いませんよー、ルルーシュ殿下。どうぞロイドと呼び捨てでお呼び下さいー?」
「そうですか?…では、はじめましてロイド。ほんじつは、ようこそおこしくださいました」
「あはーv敬語も要らないですよルルーシュ殿下。兄上のシュナイゼル殿下も気にしていらっしゃいませんしー」
目の前の小さな皇子に普段とは違う真っ直ぐな視線を向けて相対すれば、紫水晶の輝きは穏やかにそれを受け止めた。
あどけなさの残る、けれど深い深い眼差し。
出会ったばかりの、一回りも歳の離れた幼い皇子。
地位も権力も、人間自体に興味はなく、機械の方がずっと良いと思っていた。
けれど、その存在は初めてロイドの心に響いて、一挙一動にその水面は驚くほど揺らされて。
ロイドの心はたった短いこの時間で全て奪われ、定められた。
だからするりとその言葉が口から出たのは、ロイド自身にしてみれば当然の結果で。
「ねぇ、ルルーシュ殿下、僕を貴方の騎士にしてみませんか?」
「な…っ!」
「きし、ですか?」
「ちょっ、待ちたまえロイド!君は本気か?!」
戸惑うように、それでも向けられた幼い双眸に映る己の姿に全身が泡立ち歓喜するような感情を覚えながら。
慌てて割って入るシュナイゼルに、嫌そうな眼差しを向ける。
「何を言ってるんだい、シュナイゼル。失礼だねぇ、僕は本気だよ」
「ルルーシュはまだ3歳だぞ?!騎士はまだ早い!それに君なんかが彼の騎士だと!?私は認めんぞ!」
「そうですねぇ、流石に早いでしょうし。だったら仮でも良いですー。とりあえず騎士にするならって事で考えては頂けませんか、ルルーシュ殿下ー?」
勿論、今すぐお許しを頂けるならそれはそれで大歓迎なんですけどー。
そんな事を言って微笑むロイドに、シュナイゼルは絶句した。
だが瞬時に立ち直ると未だかつて無い本気の姿勢に、最愛の弟に会わせた事を後悔する。
しかし、後悔先に立たず。
実際、実力的にも知能でもロイド以上のルルーシュの騎士に見合う逸材をシュナイゼルは知らないのだが。
悪友として見知った付き合いの長い相手だけに、性格的な問題も熟知していた。
そして、本気の相手の諦めの悪さにも。
「しかし、ロイドはあにうえの…」
「…構わないよ、ルルーシュ」
「え?」
きょとん、と瞬く零れ落ちそうな瞳に苦笑しながらシュナイゼルは疲れたように深く溜め息を吐く。
ちらりと一瞥した視線の先には、もはや主しか視界に入っていない忠犬が確かに存在して。
「ロイドは私の学友であって騎士候補ではないし…するつもりもない。だが、こう見えて腕もたつし頭の方もなかなかでね。今まで主は要らないと言っていたが、素質だけなら十二分にある。」
「…そうなのか?」
「まぁ、自分で言うのもアレですけど、僕ってお買い得ですよー?」
へらりと笑って答えるロイドは、口調こそ気安いがその眼はどこまでも温かみがあり。
今までこのような眼を他人に向けられた事が無いだけに、ルルーシュは戸惑ってしまう。
それに何と言ってもルルーシュはまだ3歳だ。妹も生まれたばかりで、皇位継承権は高くはない第十七位。
本来早過ぎる話にその混乱を察したシュナイゼルは、穏やかに微笑んでその頭を撫でた。
その優しい手つきに、ルルーシュもようやく落ち着きを取り戻す。
「すぐとは些か早過ぎると思うが、お前さえ良ければ考えておいてやってくれないかい」
「わかりました、シュナイゼルあにうえ。かんがえておきます…ロイドもほんとうに、ぼくなんかのきしがいいのか?」
「ルルーシュ殿下の騎士が良いんです!他の方の騎士なんて、こっちが願い下げですよー!」
見上げる視線を兄から駄々っ子のようにそう叫ぶ兄と同じ年齢のはずの騎士候補へ移すと、ルルーシュは今度こそ確かに微笑んだ。
この広い、けれど狭い皇室の離宮で。
初めてできたルルーシュだけのものになるかもしれないその真っ直ぐな双眸は、綺麗なアイスブルーの瞳をしていて。
「わかった、ロイド。とりあえず「かり」だが…これからよろしくたのむ」
「はいー!こちらこそ宜しくお願いしますね、殿下!絶対認めさせてみせますから!!」
無邪気に本当に嬉しそうにはしゃぐロイドは幼く白いその手を取ると、膝ま着いた侭恭しくそこに唇を落としたのだった。
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア、3歳。
ロイド・アスプルンド、15歳。
運命の分岐点となる春の昼下がりの事だった。
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