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ルル誕企画小説*02ー3
ルル誕【02】の3。
朝比奈のゼロにする敬語に萌えます。
仲良くなってきた後の二人きりとかデートでタメ口になる時とのギャップが好き。
次は【03】のルル視点なので、これで【02】の朝ゼロ視点はラストです。
ゼロは朝比奈をデートに誘えるか(ぇ)
では、どうぞー!
Act.02ー3
Side:Asahina&Zero
「それは、私が藤堂を助けたから…か?」
「ま、それもありますけど。けっこう俺、個人的にもゼロの事は好きですし」
うん。と一人納得する朝比奈に、今度こそゼロは固まった。
好き。誰が?朝比奈が?ゼロを??仮面の男なのに?
「……変わった趣味だな」
「別にゼロの格好が好きとかじゃなくて、中身の君が気に入ってるって意味ですからね、言っておきますけど」
間違って認識されているだろう事を念押しすれば、ゼロは今度こそぎこちなく頷く。
それを見て朝比奈は、あぁ今の反応ちょっと可愛いかも。と内心思っていたのだが。
「……それは、…えぇと、ありがとう?」
「うん、まぁ今はそれで良いや。で、話は戻りますけどゼロと弟さんの誕生日の話ですよね?」
疑問形でこてん、と傾げられた首は、仮面には非常に似つかわしく無いのだろうが、悪くない。
にっこりと笑って言ってやれば、今度こそ戸惑うように仮面の奥の声が震えた。
動揺と、嬉しいのか、悲しいのか。そんな声。
「…弟の方だけで良いんだが」
「だーめ。さっきもC.C.が言ってたじゃん。それに、弟さんともう一人…でした?その子にも喜んで欲しいんでしょう?」
「あぁ、今まできちんと祝ってやれた事がなかったからな」
ふわりと穏やかにも甘やかな雰囲気を纏うゼロに、仲良いんだなぁと朝比奈は微笑んだ。
普段は事務的に坦々と会話する事の多いゼロだが、時折垣間見せる世話焼きであったり優しさに、彼の人格を朝比奈は感じていた。
どこか背伸びした大人のようで、まだまだ幼い、けれど内に入れればどこまでも優しく他人を気遣える寛大な人。
誰よりも無理をして、なのに人の分まで背負い込もうとするから、ついつい目が離せなくなってしまったりして。
「だったら、難しく考える必要はないんじゃないかなー」
「…なに?」
「誕生日っていうのはその人の為に贈り物を買って、生まれてきてくれた感謝とお礼、そしてこれから訪れる幸せを祈って、手渡す。それが一番だと、俺は思いますけど?」
確かに、パーティーとかは別に歌ったり騒いだり楽しむ用途でやりはするものの、一番大切なのはその想いだろう。
その人の誕生を祝いたいと思う心。
それこそが、きっと最も重要で、最も無くてはならないものはずだ。
「…そうか」
言われて理解はしたのだろう。
だが、それでもまだ少々首を傾げているゼロに、朝比奈はどうしたの、と問う。
他にまだ、何が分からないというのだろうか。
「……誕生日の贈り物とは、どんなものを買うんだ、普通は」
「いや、特に決まりはないはずだけど。相手の好きなものとか、貰って喜んでくれそうなものとかが通常じゃないですかねー」
「ふむ。とすると、まず見繕う事が必要なのか。しかし、選んだ事のないものを探すとなると難しいな。何を基準にするべきか」
思案げに頷いたゼロに、朝比奈は何となく、まさか、と思って頭を振った。
いやいや、そんな展開になるはずがない。
だって、朝比奈は今日、偶然廊下でバッタリ出会っただけである。
確かに最近ちょっと、ゼロとは前より距離が縮まってきた気もする。
仕事以外の会話だってするし(それはそれで、紅の騎士にバレないよう必死)
藤堂達の帰還は3日後。
それまで確かに、暇ではある、が。
「だったら朝比奈に、一緒に選んで貰えば良いじゃないか」
「ん、そうか」
「いやいやいや、ちょっと待って!」
ボソッと呟いたC.C.に、あっさり頷いたゼロを慌てて朝比奈は止めた。
それはまずい。
何故なら組み合わせがそもそも指名手配中の四聖剣と、エリア最大のテロリストの親玉だ。
いや、それ以上にこの展開はおかしい。
「その格好で行くんですか?!」
「まさか。朝比奈は私服に着替えるにしても、私はある程度変装しなければ表の知り合いに会った時の言い訳がつかん」
「変装!?どうやって!むしろ素顔?!」
「どうって…C.C.、良いだろう?」
「ほぅ……面白いな、乗った」
振り返ればC.C.が、いつの間にかピザを食べながら、鷹揚に頷く。
「手っ取り早く女装確定だな」
「じょ…ッ!?」
「…まぁ、背に腹は変えられないからな」
渋々了承するゼロに諦める様子はなく、朝比奈は言葉を失う。
この黒仮面が、女装。
いや、確かに素顔が仮面であるはずがないのだが、なかなか想像するに難しい。
というよりも、そんな理由で素顔を自分に曝しても良いのだろうか。
(……でもそれって、信頼されてるって事、だよ…ね?)
「そうと決まれば早い方が良い。明日11時。場所はゲットーの外れの公園で良いか?」
「いや、別に藤堂さん達が居ないんで、用事もありませんけどー…ゼロ、本当に女装する気?」
「男二人より目立たないからな。それでは明日、忘れるなよ」
「…承知」
こうもトントン拍子に決められて、誰がこの仮面のリーダーに断る事が出来るだろう。
何よりどこか期待するような雰囲気を纏うゼロに、朝比奈は反論もできず了承の意を唱えてしまったのだった。
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朝比奈のゼロにする敬語に萌えます。
仲良くなってきた後の二人きりとかデートでタメ口になる時とのギャップが好き。
次は【03】のルル視点なので、これで【02】の朝ゼロ視点はラストです。
ゼロは朝比奈をデートに誘えるか(ぇ)
では、どうぞー!
Act.02ー3
Side:Asahina&Zero
「それは、私が藤堂を助けたから…か?」
「ま、それもありますけど。けっこう俺、個人的にもゼロの事は好きですし」
うん。と一人納得する朝比奈に、今度こそゼロは固まった。
好き。誰が?朝比奈が?ゼロを??仮面の男なのに?
「……変わった趣味だな」
「別にゼロの格好が好きとかじゃなくて、中身の君が気に入ってるって意味ですからね、言っておきますけど」
間違って認識されているだろう事を念押しすれば、ゼロは今度こそぎこちなく頷く。
それを見て朝比奈は、あぁ今の反応ちょっと可愛いかも。と内心思っていたのだが。
「……それは、…えぇと、ありがとう?」
「うん、まぁ今はそれで良いや。で、話は戻りますけどゼロと弟さんの誕生日の話ですよね?」
疑問形でこてん、と傾げられた首は、仮面には非常に似つかわしく無いのだろうが、悪くない。
にっこりと笑って言ってやれば、今度こそ戸惑うように仮面の奥の声が震えた。
動揺と、嬉しいのか、悲しいのか。そんな声。
「…弟の方だけで良いんだが」
「だーめ。さっきもC.C.が言ってたじゃん。それに、弟さんともう一人…でした?その子にも喜んで欲しいんでしょう?」
「あぁ、今まできちんと祝ってやれた事がなかったからな」
ふわりと穏やかにも甘やかな雰囲気を纏うゼロに、仲良いんだなぁと朝比奈は微笑んだ。
普段は事務的に坦々と会話する事の多いゼロだが、時折垣間見せる世話焼きであったり優しさに、彼の人格を朝比奈は感じていた。
どこか背伸びした大人のようで、まだまだ幼い、けれど内に入れればどこまでも優しく他人を気遣える寛大な人。
誰よりも無理をして、なのに人の分まで背負い込もうとするから、ついつい目が離せなくなってしまったりして。
「だったら、難しく考える必要はないんじゃないかなー」
「…なに?」
「誕生日っていうのはその人の為に贈り物を買って、生まれてきてくれた感謝とお礼、そしてこれから訪れる幸せを祈って、手渡す。それが一番だと、俺は思いますけど?」
確かに、パーティーとかは別に歌ったり騒いだり楽しむ用途でやりはするものの、一番大切なのはその想いだろう。
その人の誕生を祝いたいと思う心。
それこそが、きっと最も重要で、最も無くてはならないものはずだ。
「…そうか」
言われて理解はしたのだろう。
だが、それでもまだ少々首を傾げているゼロに、朝比奈はどうしたの、と問う。
他にまだ、何が分からないというのだろうか。
「……誕生日の贈り物とは、どんなものを買うんだ、普通は」
「いや、特に決まりはないはずだけど。相手の好きなものとか、貰って喜んでくれそうなものとかが通常じゃないですかねー」
「ふむ。とすると、まず見繕う事が必要なのか。しかし、選んだ事のないものを探すとなると難しいな。何を基準にするべきか」
思案げに頷いたゼロに、朝比奈は何となく、まさか、と思って頭を振った。
いやいや、そんな展開になるはずがない。
だって、朝比奈は今日、偶然廊下でバッタリ出会っただけである。
確かに最近ちょっと、ゼロとは前より距離が縮まってきた気もする。
仕事以外の会話だってするし(それはそれで、紅の騎士にバレないよう必死)
藤堂達の帰還は3日後。
それまで確かに、暇ではある、が。
「だったら朝比奈に、一緒に選んで貰えば良いじゃないか」
「ん、そうか」
「いやいやいや、ちょっと待って!」
ボソッと呟いたC.C.に、あっさり頷いたゼロを慌てて朝比奈は止めた。
それはまずい。
何故なら組み合わせがそもそも指名手配中の四聖剣と、エリア最大のテロリストの親玉だ。
いや、それ以上にこの展開はおかしい。
「その格好で行くんですか?!」
「まさか。朝比奈は私服に着替えるにしても、私はある程度変装しなければ表の知り合いに会った時の言い訳がつかん」
「変装!?どうやって!むしろ素顔?!」
「どうって…C.C.、良いだろう?」
「ほぅ……面白いな、乗った」
振り返ればC.C.が、いつの間にかピザを食べながら、鷹揚に頷く。
「手っ取り早く女装確定だな」
「じょ…ッ!?」
「…まぁ、背に腹は変えられないからな」
渋々了承するゼロに諦める様子はなく、朝比奈は言葉を失う。
この黒仮面が、女装。
いや、確かに素顔が仮面であるはずがないのだが、なかなか想像するに難しい。
というよりも、そんな理由で素顔を自分に曝しても良いのだろうか。
(……でもそれって、信頼されてるって事、だよ…ね?)
「そうと決まれば早い方が良い。明日11時。場所はゲットーの外れの公園で良いか?」
「いや、別に藤堂さん達が居ないんで、用事もありませんけどー…ゼロ、本当に女装する気?」
「男二人より目立たないからな。それでは明日、忘れるなよ」
「…承知」
こうもトントン拍子に決められて、誰がこの仮面のリーダーに断る事が出来るだろう。
何よりどこか期待するような雰囲気を纏うゼロに、朝比奈は反論もできず了承の意を唱えてしまったのだった。
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